今日から酒屋になりました・・から30年

3年後には創業50年の 知命 を迎える当店です。

寿命が伸びたのと一緒で 現状では 不惑 の状況かと思いますが、

まずは ココまで生き延びてこられたのは・・

・お客様のお陰

・たまたまの運

この ふたつに尽きると思って居ります。

なにしろ・・

野村克也さんの「勝ちに不思議の勝ち有り。負けに不思議の負け無し」を

第二是にしている当店ですので・・。

 

お陰様で・・

今では当店の基軸となりました「酒類販売部門」が 今月の8日で「30年目」を

迎えます。

その当時は・・

「ある日突然・・酒屋になりました。」と、言ったノリです。

 

たまたま・・「平成の規制緩和の地域一号店」としての「くじ運」を頂き

感謝で過ごした当時です。

父は前日から「仏壇に手を合わせ・・」

当日も誰よりも早く出掛け「一番乗り・一番くじを引く」事となりました。

地域の競合12軒の中でです。

 

もっとも・・・

免許は下りたのはイイけれど「父も私も酒販経験はゼロ・・」。

何も知らないと言う事は・・

何の方向性も意志も示せない・・

ただ「販売権利を獲得しただけ・・」ですので、

・問屋さんのテンプレートで商品構成をして・・

・お客様の要望で商品を流す・・

という 当たり前の「お約束」でしか スタートを切れない訳です。

それでも・・

利権特権が 辛うじて通用した最後の時代でしたので・・

なんとなく売れて行く・・そんな感じでしたが、その根拠たる核心など有ろうハズがありません。

 

しかも・・

すでに県外では始まっていた「酒販DS」が地域を席巻する事となり、

「DS販売が業界の主流」となりました。

ここまでは「思っていた展開」も 何の対策も手も打てない状況です。

柱となる理念が無い・・のですから当然です。

 

少しは有った「個人客の配達」もたちまち無くなり・・

義理で取り引きを初めてくれた「料飲店さん・・」だけを頼りに この部門を

細々と続けつつも 主軸は創業業種の「調味料販売」で「緩やかに右肩下がり・・」を

辛うじて支える・・

そんな状況が3年程続いたアトに ・・

ご近所の方から 夢の様なお話を頂き その事が当店と私の運命を変える事となりました。なぜ・・その方が「当店を気に掛けて頂けたのか ??」かは 何回かお聞きしましたが とうとう答えて頂けず 今後も聞く事が出来なくなりました。

 

業界の常識・パターン化されたテンプレートさえ知らない ??

と、言う事は・・他の 知っている「異業種の手法」を自己流にアレンジして

展開するしか方法が無い訳です。

 

しかも・・

まだ開発されていない 「未知の領域で市場開拓をする」という言葉では簡単な

一行も やり続けるしか無い。その思いだけです。

 

その当時の酒屋は・・

言葉を選ばずに表現するならば「サービスを売りにする下僕状態です」。

年だけは喰っている中途半端な飲食店の無理難題にも 上手く立ち回らなくてはなりませんでしたので かなりの経験を積ませて頂きましたが「何れはこの手の方々とはオサラバしたい・・」と、それをバネにしておりました。

 

サラリーマン時代に「高品質の酒蔵」さんと取り引きをして そこの社長さんに

目を掛けて頂いた事が ずっとアトに役に立つ何て その時には思いも寄らなかった事。

 

大きなピンチの時に「志向の方向性の転換」をする踏ん切りをつけられた事。

ただ、その時は・・

何年掛かるか解らない・・

本当に成果が出せる日がやって来るかも解らない・・

その原点が30年前です。

 

やりたかった日本酒分野を目指した時に「焼酎ブームになり」業界とお客様の視線がすべて ソチラに向けられた事により、全く実績も知名度も無くとも「潜在性のある蔵元さんとの取り引きが ほぼ可能であった事」。

運が良かったとしか言い様がありません。

 

日本酒専門店を志して・・

三年程経った頃から「お土産持参で お酒を購入になる お客様が頻繁になり・・」

この様子を母が見ていて「買い物に来るのに お客様がお土産を持って来るなんて なんて有り難い仕事なんだよ・・」と、手を合わせて居るのを見て なにか「ほっ・・」とした想いになりました。

 

30年・・・

これでイイなどと思った事も有りませんし、現状に満足したら「それで終わりだ・・」と思っております。

現状は「私のセレクトショップ」ですので良し悪しも含めて その想いが「目で見て解る・伝えられているか。そして それを補う「言葉の説明」が自分流で有り続けられる為の 毎日の開拓と仕入れです。

 

大都市圏の有力酒販店の顔とも言えるべき「社長さん」と会い・お話をさせて頂いて毎回感じる事・・。

人間的な魅力に溢れていて「もう一度会ってみたい・・」。

私が客なら「この人から買わせて頂きたい・・」

そう思わせる方々ばかりです。

 

見掛けのオツムは日々 磨かれていきますが・・

もっと中身を磨く毎日は終わりは無いのだと・・。