製造蔵元に行っても・・売ってくれませんでした。

基本的に・・

日本酒蔵元は「食品製造の現場です」。

そこを踏まえた上で お読み下さい。

 

 

 

 

何回か・・

この説明をしているかも知れませんが 今後も定期的に送ります。

「よくある質問」なので・・

 

最近、表題の質問を受ける回数が増えております。

酒販店の立場としては・・

そこまでもして希望の酒が欲しいのは解るけれど・・

そして 「非常に言い難い事」でもあります。

 

製造元から直に買いたい・・

その心情を推測すると・・

・酒販店への移動が無い分「ストレスの掛かっていないお酒」

・日付の新しい酒

・蔵元から直に購入したという満足度

・造りの現場も間近に感じられる

そしてなにより・・

「人気商品を制限無しで購入デキル」と、思って蔵元まで足を運ばれる様です。

 

蔵元個々での考え方も違いますし・・

途中で それまでの意思表明とは「真逆の対応」を始める蔵元さんも いらっしゃいますので一概にラインを引く事は出来ませんが・・

業界の常識と良識として説明を お読み下さい。

造り手・売り手の「勝手なルール」かと思われる方も いらっしゃるかもしれませんが、何事もルールを作って始めている訳ですので・・

そのルールを知らないと・・

結果として・・「無駄足を運ぶ事・・」になります。

 

目安としては・・

・一般開放商品   なのか ??

・限定流通商品             なのか  ??

を確認して頂く事から始める事をオススメ致します。

 

・一般開放商品 ・・・

地域の酒問屋などを通じて 商品販売の意志を示せば「酒販免許を有している販売所」なら基本的にドコでも売る事が出来る。

つまり・・ドコでも買える。

 

・限定流通商品  ・・

蔵元は「特約店向け」の限定商品 (限定ブランド)を造り それを販売する権利と商品を供給する。

だから「売り手の為に造ってはいても・自らは販売しないブランド」。

基本的に問屋を介さずに「蔵元と酒販店が直接契約し取り引きする」。

これは「段階流通を排しての利潤」だけの意味合いでは無く、

商品と情報をダイレクトに送り相互の連携を図る為。

蔵元の考え・商品構成・商品説明・商品管理・市場構成を図る。

この構築により 商品が提供され販売の権利が担保される。

 

ちと小難しい説明でしたが・・

 

あと・・

事前のアポや見学が可能かの確認もせずに「近くまで来たから見せて下さい」的な

醸造現場の見学を希望したり、イベント等で顔見知りになったから「製造現場に何の準備も無く押し掛ける方」が いらっしゃる様ですが これは絶対にヤメて下さい。

 

そういう投稿をされる方もいらっしゃいます・・

たぶんソレは「たまたま・・」なだけです。

 

逆に・・

大吟醸の搾り時期に「あえて一般客を入れて発信・投稿をさせている蔵元さん」は

信用度を落とします。まぁー・・そう言うトコの結果は 5月には明らかになります。

 

日本酒製造の現場は「食品製造の現場」でもある訳です。

また、目には見えない「菌との戦い」を制御しつつ 日々、身を削っての作業をしていらっしゃいます。

 

もし・・

アナタが何の準備もせずに結果として雑菌を持ち込んで その蔵元の「お酒をダメにしてしまう」事だってある訳です。

何を大袈裟な・・

と、思われるかなと・・。

いや、私自身・・取り引き蔵のお酒が  ある時から突然「告知設計とは全く別物の酒」がやってきて それ以降の蔵見学の体制が非常に厳しいモノになった事から その理由を拝察して 慎重に伺うと・・実際・・そうであった訳です。

タンク一本・・

場合によっては その年・・

あるいは それ以降も その蔵元の信用を失わせる可能性もあるのだという「畏敬と怖れ」を持って頂きたいんです。

お酒は楽しいもの、だから 結果がすべて。

そして、それを基本的に挫く行動だけは謹んで頂きたいです。

 

蔵元・蔵人と日本酒に親近感を持って接して頂ける事と、無秩序に製造現場へ立ち入る事とは「別物なのだ・・」と 言う事です。

蔵元で公開するイベント等を待って その機会に楽しんで頂きたいです。

 

最近は・・

直売所にて自社製品を販売する蔵元もございますが それとて「全商品を ソコで販売する」とは限りません。

事前にご確認を頂く事・・が、すべての方にストレスが掛からない事となるかと思いますが・・・。