ヤマト新基準の憂鬱

4月の消費税upに合わせたかの様に各分野での商品価格が上がった事により「便乗値上げ・・」なんて言い方をされてますが、今まで「よくこの価格でやってこれた限度」を ドコかで打ち払う時期だつたのかもわかりません。

 

宅配業務のガリバー 「ヤマト運輸」の運賃値上げと「クール便規格の徹底」は温度管理が生命線である日本酒業界に大きな波紋と試行錯誤を生み出しました。

一番の問題は今まで可能であった「一升瓶サイズの6本・ケース」を「5本にしないと重量オーバーで受け付けてもらえない」です。今までが良くて「なんで これからがダメなんだ・・」と業界全体で食い下がった経緯もあった様ですが、昨年に発覚した「クール便の常温放置問題」を再発させれば 今度こそ「信用を失う」。そして「二度目は許されない・・・」を受けて ??? 大幅な運賃の値上げ付きから 蔵元対応は大きく分けて「三つに集約」できます。

 

1,価格変更で配送体制を変える

どうせ価格が上がるなら 商品管理をしっかりさせる為に「商品価格のupと配送会社を変える」事で、「6本入り・冷蔵便」を堅持する。ただ、「ヤマトと同じにデキルなら・・」の前提ですが。

2,  5本入りにする

6本がダメなら「5本で送る」という現実的な取り組みも始まっています。当然「コストup」と、なりますので「過渡的措置」なのかも・・。

3,保冷剤タップリの常温・通常便

この取り組みが一番多そうです。「しっかり冷やして・保冷剤を詰め込んで・発送段ボールも断熱効果の高いモノ」に。通常なら「12時間くらいは安全なこの梱包も 今夏の猛暑に耐えられるか ?? 」が課題です。

こちらも天気予報を見ながら「気温の上がらない日を指定して・・」なんて事になりそうです。

酒がダメになっていたら「元も子も無い」ですからね。

 

当然、当店としても「お客様に発送する」を これと同じ手法・考えで進める訳です。

私としては「今夏の間は品質を第一として 5本で送る」しか無いし、実行します。

お客様には当たり前ですが「品質を期待しておられる」のですから 裏切る訳には参りません。

ここは説明して理解して頂くしかありません。

 

夏の「無濾過生原酒」は 旨い反面「管理が命」です。

極論すると「電気代を飲んでる感」さえあります。

 

以前、初めて取り引きをした県外の蔵元さんの酒が「生ヒネ」していて 即座にクレームをしたのですが「生酒はスグに冷蔵庫に入れないとダメになるんですよ」と「素人酒屋対応をされてブチ切れまして・・」取り引きは「一回だけ・・」。いや、その酒はすべて「排水溝に廃棄」支払いだけしました。

こんな酒を売ったら「二度と酒屋として自分自身がやっていけない」ですし、クレームに対して そんな感覚でしか対応出来ない経営者を信用出来ないですから。

 

アトになって・・・

「ヤマトのクール便温度管理に問題があった」事を知る訳です。

丁度、夏の初めの「30℃越えが三日間続いた頃」でしたから・・たぶん「そういう事」だったのでしょう。

結果として、私は「コレで良かった」と、思ってますけど忘れる事は無いですね。

「自信を持つ」と「自己の想定を超えた」=  結果通りのモノが生まれない事も有るのだと知り、今後の戒めにと思う訳です。