寒蕎麦を手繰る会
当店主催の日本酒会、名称を「猪口の会」としております。
酒器の猪口から取れば必然的に「日本酒の会」なのだとの認識して頂ける・・・
と、思っているのは業界人思考なのだと言う事が よーく解ります。
「いぐち」とか「いのくち」とか言って頂ければ まだまだ解るものの・・
「いこう」とか「いちょこ ??(なんでそうなるの)」と言われると解釈までに時間が掛かります。
ほぼ毎月 行っている「この会」も集客を心配しない会のひとつが 今回の会場・・・
飯田市銀座の「そば処 かざこし」です。
蕎麦処 信州にあっても知らぬ人がいない「戸隠の銘店 うずら屋」で修行した店主平野さんです。
子供の頃の「蕎麦嫌い」がココの蕎麦を食べて覚醒し 天職として選んだ・・
という「蕎麦粉と酒」で出来たオトコです。
地元に戻って開業はしたものの・・・
世の中 そんなに甘くは無い。
しかも「全国屈指の書籍販売店グループの一族」という事もあって「冷ややかな目」で見られて
居た事も事実です。
私も「少しだけ そんな目で・・」初めてこの店に入って「蕎麦の質の高さにオノノキ」、その場で「ウチの猪口の会・・を お願いできませんか ??」と頭を下げて・・・今回で四回目です。
当初は師走でも「たぶん一番、手が空くだろう・・」と予想される12月22日に固定しておりました。
天皇誕生日の前日ですからね・・。
ところが・・・
この四年間に この地方では「トップクラスの人気と実力の店」と評価されるようになりました。
結果・・・
師走の開催は無理。
そして店主の想いだった・・・
蕎麦の一番旨くなる「1月下旬から2月中旬の間」に行おうとなりました。
楽しみに待って頂いている お客様には説明と報告をして先日に今年度の会を行いました。
通常・・蕎麦っ喰いは「蕎麦前を楽しみ・蕎麦で軽く締める」のが「粋といわれる旦那衆の嗜み」なのだそうです。これ現代にも充分に通用するとは思いますし 是非とも「この世界」を体験して頂きたいと・・。
しかし、当店は「日本酒の店」ですので この「蕎麦前と蕎麦を食べながらの酒」をトータルで腹一杯にする
欲張り企画です。
当日は平野店主の嗜好を活かした蕎麦前料理を嗜みながら・・・
系統の違う酒を8酒、お客様に味わって頂きました。
この「蕎麦屋での会」のエッセンスは「この店で蕎麦前を味をって頂くと体感できます」のでどうぞ。
ウチで持ち込んだ酒器を翌朝、片付けに行くまでが私の仕事。
いつもの様に暖簾を潜ると・・・
「昨日は、楽しく仕事ができて職人冥利に尽きました。ありがとうございました」と、先に言われてしまいました。料理とは最後は「人を食べるもの」なのだと改めて感謝すると共に
私自身の精進は まだまだだと実感するんです。
また、来年の今頃まで・・。