「秋酒」と「ひやおろし」
結論から言うと・・
・お盆過ぎから解禁日までに発売されるのが「秋酒」。
・9月9日の解禁日から発売するのが「ひやおろし」。
というのが「信州ひやおろしルール」を遵守する上では欠かせない「お約束」です。
これは、理想と信念に基づいてるんですが・・・
地酒専門店・・
というカテゴリーながら 私自身が4年程前から品質的な「表題の違いを説明出来ずに困っています。」
「お客様からの突っ込んだ質問が今までは無かった」だけの事で 自分の中で説明が出来ない訳ですから・・。
長野県では「信州ひやおろしルール」の下で県内は動きます。大きな特徴は「9月9日を解禁日とする」と言う解り易い基準です。
これは「年々出荷が早くなり熟度が増していない酒を、温暖化で残暑が長引く お盆明けから売る」事が「季節感と品質熟度の面から お客様の為、しいては業界の為にはならない」と「解禁日の線引き」を
行ったと理解しています。
・純米酒・一回火入れ・その年に醸された酒・解禁日・・等の基準を満たし「信州ひやおろし」として
県内酒の質度と統一感を図り 更に「信州の地酒のブランド信頼を得る」。
画期的で良心的な試みで 他県の蔵元様も賛同と協調をして頂けるの現在です。
が・・
ここからは「良し悪し・・」とかの眠たい話しでは無くて現実的な問題です。
環境の差は「酒造りの開始・熟成度の差・販売日の慣習」で 一般的には「お盆を過ぎたらひやおろしの出荷」となります。信州だけなら問題の無い事も「市場の競争モロに晒される訳です。」。
当然の事です。
この対応・対抗策として「解禁日までの・ひやおろしでは無い酒」を「秋酒」として「出荷・販売」する事となります。
ただし・・・
これが出来るのは「ある程度の醸造量と販売量のある 上位の蔵元」に限定されます。
「ひやおろし」の季節は「割と短いもの」です。
現在では「GWから8月一杯 販売できる夏酒」の方が「需要も販売量が多い」のが実情です。
「ひやおろしの季節感は実質・二ヶ月ですから・・」。
飲食店さん・顧客様は季節感には敏感で・・
お盆過ぎには「秋酒の供給を開始する準備と体制」が出来ていないと勝負にすらなりません。
取り引き蔵・・すべてが「ひやおろし前の秋酒が用意できるか ?? 」というと現実的には不可です。
もちろん「それなりの考え方」があっての事だとしても「そういう玉を持っていないと地酒専門店としては 成り立たないのが現実です。」
造り手・・だけでなく売り手である「酒販店の販売量と蔵元さんとのバランス」の実力差が お盆明けから「ひやおろし解禁」までの三週間にある・・と思っています。
どのブランドをやるか ?? よりも、「解り易いコノ部分に結果を出す為」にも 逆に常日頃の「地道な行動がすべて・・」だと改めて感じてます。
なんか来ちゃった「プチ日本酒プーム」に「なんとなく対応なんかしてると・・」です。
もっとも・・
解禁日の危険性は「蔵元の規模、酒販店の差を 増々開く可能性を持っている・・」と言って「つまらん事は しゃべるな・・」と 「大目玉・・」を過去に頂いた事もありましたが、私としては「そういう覚悟で取り組んでいます」。という 報告です。
美味しい季節の裏側にある業界の事情の一端でした。
また、「玉が飛んできそう・・」ですが「馬耳東風」の田舎の酒屋です。