2019年3月

精進は終わらない・・。

学生の頃は・・・

「社会人になったら勉強からは解放される・・」なんて、夢みたいな事を

思っていましたが そんな訳が無い事は「社会人になった瞬間からワカル君」

という必然と当然に・・・。

 

酒造技術が年々向上するように ウチら酒販店の「アタマの転換と更新」も日々

変えて行かねば生き残れないのと同時に「探究心をも満たして」くれる事になります。

 

酒販店が専門知識を備えている事への一般的な「お墨付き・・」としては・・

ワインでしたら・・ワインアドバイザー 以上・・・。

日本酒でしたら・・・唎酒師 以上・・・。

である事は お客様方も含めて認知されております。

 

ところが・・・

この販売業界においては言葉を恐れずに書くと 実質的に「そんなの関係無い・・」状態です。要は「どうやって販路と数字を確保し上げ続けているか ?? 」が一番のポイントです。その為のベースとして「まぁー・・それくらいの資格は持っててもイイけど・・それがどうした・・」が、業界内での一般的なスタンツです。

別に資格を持ってらっしゃる方を揶揄するつもりでは無く「それをどう販売向上に活かしているか ?? 」。資格なんかなくても「オレはアンタよりも売り上げてるぜぇー・・」と口では言わなくとも 明らかにそういう空気が漂う現場を何度も見てきましたから・・・。

 

実際・・

高資格者を唄う酒販店の数値が高いかと言えば ?? のが多いのも現実なのだと思い当たるトコが・・・。

 

これ・・

なんの資格も無い「オラの言い訳・・」です。

先日・・

長野地区(長野市地区)小売酒販組合と県小売酒販組合青年部との共同で「利き酒講習会」がありました。

長野県の一番南の当店が、一番北の長野市まで行く価値があると思ったから。

今回は・・特に香りのパターンを言葉で表現し審査する

「国税局の鑑定官」の先生の指導と講義ですので 尚更です。

 

日本酒はワインとは真逆の「減点法で審査」されます。

その「香りと味わい」を「鑑定官」の先生方は定期的に集まり「審査基準を一定にする講習」を行っているようですが「そのエッセンスを取り入れた講習会」です。

 

ずっと興味があったのと、実際にその擦り合わせをした経験が無いので「言葉の表現とのギャップを感じ続けていました」。

これが「この香り・・」。

この香りのする「原因はコレなので この要素で判定をする」。

が、非常に明確で解りやすかったです。

 

当然・・・

コレを活かした「利き酒と説明と提案」に結び付ける キッカケが出来た事と、

今回の講習会に誘ってくれた 酒屋仲間に感謝です。

 

新規の蔵元・取り扱いを開始しました。

焼酎ブーム・・・

と言うのは「日本酒蔵に取っては超逆風」だった訳です。

現にその頃 試飲会に出掛けると「焼酎蔵には黒山の人集り」。

対して「日本酒蔵は有名蔵元にだけ人が居る」状況で それ以外の蔵元には

「誰もいない・・」というのが現実でした。

 

当店に取ってラッキーだったのは・・・

その前から「日本酒にターゲットを絞る」、「信州を売りにする」、

「無名の(私に取っては知らないという意味)蔵元で(有名処は相手にしてくれる訳が無い)自分の気に入った旨味感のある酒を売る」を選択基準にして その蔵元と一緒に「新しい得意先・市場・お客様」をイチから創造しよう。

この味わいを「判ってくれる人は必ずいる・・」。

 

試飲会で話しをして、後日 取り引きのお願いをすれば「ほぼ取り引きを始める事がデキル」という 今では考えられない夢の状況でした。

 

ただし・・・

焼酎ブームですから・・・

日本酒は売れない。ましてや聞いた事も無い酒なんて見向きもされない。

そんな解り切った事を「自分がその気になって売り込み、一本ずつ・一蔵ずつ増やす」事で現在が有ります。

 

苦労話とか、自慢話なんて甘いもんじゃなくて ・・・

自分の感覚を信じて いずれはやってくる「地酒に戻って来る時代までに

なんとか地盤を創って置かないと間に合わない・・」と、何かに急かされる

思いで増やし続けました。

 

当然・・

既存の取り引き蔵さんからは「一定量以上になると取引量が伸び続けない原因が

新規の取り引き蔵を・・」と、見られているのは解ってはいるものの、それを

続けてますと・・「良くは思われていない事」は解ります。

 

「ひとつの蔵をやり続ければ・・必然的に他の酒は売れて来るもの」という、

指針を示して頂いた蔵元もあります。

その部分は「その通り」だと理解しつつも「じゃぁー皆が同じ指針に立った時の

強みと弱み」を比較し いろんなバランスを考えた時には・・・。

 

それよりも・・・

「その酒が好きになっちゃったんだから・・しょうが無いじゃん」を、

押さえる事が出来ないが本音の部分です。

佐久の臼田にある・・・

佐久の花酒造さんと 三月より取り引きを開始しました。

この蔵元の高橋社長とは 「何回も電話と直接対話をして 互いを理解しあった上で

の取り引き開始」となりました。

単なる「ブランドを増やす」というだけで単純に売り上げを期待出来る程

甘い時代ではありません。

 

私が根を張っている地で この酒をやる事の意味と意義を提案する。

新規に限らず「どの蔵元さん・どの酒に置いても考えております」。

ひとつの蔵元・一本の酒・一献への流れ・・
考えるだけで楽しい企みは尽きる事がありません。

 

いつも通りに感謝する「10年目」です

早いもので・・
店舗のリニューアルをしてから本日で10年目を迎えました。
ネット・通販をも併用しなくては生き残れない「商業環境への対応」を行いながらも実店舗がある事への「安心感と信頼感」は お客様の言葉からも実感する毎日です。

 

私の背中を後押しくてくれた「設計士の田口君」には本当に感謝しております。

リーマンショックの翌年。
焼酎ブームの余韻がまだまだ残る中での「信州の地酒を主軸とした地酒専門店」を「信州旨酒 加藤商店」と、それまではセカンド名称的に使っていたのを この日から「正式に店名としました」。

 

たまたま・・・
結婚と店舗改装が重なった事から あまり告知もせず、蔵元さんにも迷惑を掛けたく無いと思って「一切案内をせずに・・」やったら・・「花くらいは贈ったのにぃー・・」と、かなりのご批判を頂きました。

 

「このご時世に地酒専門店なんて時代遅れだよ・・」とか、
「焼酎も置いて無い酒屋なんて 誰も来ないよ・・」という
有り難い言葉をすべてガソリンに変えさせて頂きました。
反骨心は私の「酒屋一代目の心意気」そのものです。

 

正直・・
あの時に、「店舗の改装に着手してよかったなぁー・・」と心底 思っております。
嫁さんが「初めて店頭に立ってくれたのも この日」でした。

 

これからも「褻の酒・晴れの酒(ケの酒・ハレの酒)」を
マブシイ店主の視点から お話をさせて頂きます。
マブシ過ぎたら・・サングラスを掛けて ご来店を下さい

 

今回は、周年記念的な事を行わずに「いつも通りの対応」をさせて頂く事が今後も「当店の一番のサービス」なのだとの想いです。
これからも宜しくお願い致します。

 

アルプスの狭間 南信州・東山道の酒語り
信州旨酒 加藤商店
マブシイ店主 加藤久幸