蔵元

特約店・テイスティング会

造りが終わると その年に出来た酒を「すべて並べて試飲する・・」

特約店を招待して頂けるカタチでの「テイスティング会」が ここ二ヶ月 続きました。

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これから出る酒の現状も把握して「自分なりに把握して お客様に伝える」訳ですから真剣です。

これで「仕入れと売り上げの組み立て」も行う訳ですから当然ですが・・。

 

蔵見学も同時に行う時には 極力 そこから参加します。

酒造は手造り蔵であっても 毎年の設備投資は欠かせない「設備産業」でもありますから

何が変わったのか ? ドコが変わったのか ? どういう考えの元にそうしているのか ??

そして・・・試飲の酒が結果としてを「感覚と説明整理してマブシイ頭に叩き込みます」。

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ここまでは「テクニカルの部分」かと思います。

私が更に探りたいのは・・・

そこに参加をされている「有力酒販店さんの思考と行動」です。

 

同じ蔵元・同じ酒を並べていても「考え方が店作り・行動・人間性」に出ていて

しいては それが「店主を看板とした会社の魅力」となってますから・・。

 

実は前週に あるトコを訪ねて・・・

「流行りの蔵をやって ツマミ食いで酒を並べて それで酒が売れると思っているのか ??

しかも(小さな市場の)飯田でだよ・・」と、面と向って言われたのには驚きました。

今では人気蔵であっても 言い方は語弊があるかもしれないけど「売れない時から一本ずつ蔵と酒を説明しながら丁寧にやってきた。昨日、今日 流行りモノに飛びつくバッタ系とは訳が違うわい・・」って自負がありましたから・・・。

いつもの私なら「言い返す」トコですが なんかあまりにアホらしくなって 相手の顔を見つめて

挨拶だけして早々と引き上げました。そういう時は逆に 相手の方が雄弁になりますね。

私・・こういう経験をしたのは初めてだったので正直「早く、記憶から抹消したい・・」です。

 

ただね・・・

そういう風に見られた、と言う事は 何かが足り無い事には違いないんで・・・。

オベンチャラを言うとか、卑下した態度で下手に出るとか・・・が、サラリーマンの時から

出来ない 世渡り下手です。

 

思想・精神の差・・・

その継続でしか生き残る事は無い 厳しい業界だと思ってます。

コレを機に一層 精進しないと・・と、思っていての「蔵元テイスティング会」での事。

試飲になったら ある酒販店さんが粗相でグラスを割ってしまったんです。

そしたら 別の酒販店さんが「皆さん、私が掃除しますか そのままにして。はい、ホウキ・ホウキ・・」と清掃道具を持って来て 早い対応で片付けでしまいました。

 

その時は・・・

誰だか知らなかったんですが・・あっ、彼があの「・・・さん」なのか。で 納得。

人間の精神が違うな。

そして、今の彼には 敵わないと感じた一瞬。

当たり前の気遣いと行動が「まずは自分を変える事が出来る 唯一の道」なのかも知れないと

今更ながらに気付く 遅さです。

 

あっ、今から変わろう。今すぐ変わろう・・。

「・・・さん」気付かせて くれてありがとうございました。

 

やり続ける・・理由

他人様から見ると明らかに身の丈に合わない「取り引きブランドの多さ」というのは

誤解を生むには充分だった様で・・・

大手の酒販店の手法を真似て「蔵数で体裁を整えよう・・」と、いう考えの下に構成しているんだ

と思われていた時期もあったみたいです。

 

差別化・棲み分け・価格競争よりも品質提案で勝負・独自性・・・

なんてぇーのを考えると必然的に「地元で扱っていない」事と

信州の地酒に特化したカタチから こうなった事は何回 説明をしても中々 理解して頂けるには

ほど遠い。今は その誤解も溶けかけた・・様ですが・・。

 

今ならヤラナイですが・・・

「この路線・・」で進もうと決めたトコで地元の有力「地酒専門居酒屋の大将」に なぜか

目を掛けて頂き、言われるままに「蔵数を増やした時期」もありました。

ただ・・・

そうは言って頂いても 続けて格段には買って頂けない事で「前年の売り上げを減らさない・・」事を自分への至上命題にした事で 必然的に「告知・営業・広報」のバランスと量を増やさないと 「売り上げ維持」さえ出来ない「スパルタ教育の賜物」で現在があります。

 

先日・・・

倉庫を整理していると「澤の花」の 20by時の箱が出てきました。

当店が店舗改装した頃のものです。

今でこそ・・

自分のやり方を確立して「人気蔵元となった 澤の花」ですが その頃は 彼も「迷いの螺旋のウズ」に

巻き込まれていたんだと思います。

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そして・・・

売ってる私も「さほど旨いとは思わない・・」状況でしたから やはり「一番売れる場所」に配置しても「在庫になるケース」がままありました。

蔵を改装した事で 以前の様な「野暮ったさが懐かしさを感じる独特な旨味感」が無くなって、

キレイだけど特別に特徴の無い「固さばかりが目立つ酒」で、正直「困ったぞ・・」がホンネ。

 

でもね・・・

不思議と「彼の酒をヤメよう」とは思わず 、何の根拠も無いけど「仕入れ続けて・売り続けよう・・」と思い実行してました。

なんでだろう ?? と、思い浮かぶのが・・・

伴野君の「ストイックなまでの真剣な面構えとアツイ語り」です。

たぶん・・・

彼が思い描いた酒を造り出せれた頃に、「日本酒ブームがやって来て・彼の評価も上がって・マスコミへの掲載頻度が上がって・売れる酒」になった様です。

「ホントね・・こんな事をいつまでやっててもしょうが無いんで 蔵を売って 借金を返して 早くラクになりたいと思ったんだけど 銀行も応援してくれるって言うし 一生懸命に売ってくれる方々に申し訳ないんで・・・」と、携帯に定期的に10〜20分くらい話しをしてくれる時期もありました。

 

それが 無くなった頃・・・

彼の蔵は軌道に載った様です。

 

一生懸命・真摯に・アツく語る・・・

それがあっての「いろいろな手法」なのだと言う事は人間が感情の動物である以上は

今までも これからも変わる事の無い姿勢なのだと・・

この箱を見るに付け 自分への戒めにしたいと 思う今日です。

 

今年の槽場詰め

酒屋仲間が「ウチはお盆休み」から来店客に案内をしてるよ、

と、言うのでウチも今期は「8月1日から県外客様中心に・・」始めました。

まだまだ先の事。

真夏に11月の事を・・。

というのは「バカの壁」だったようです。

ヤル価値のある「槽場詰め」案内。

8月の晦日に来た招待案内には「一分以内に数字を書き込み返信」しました。

 

2020年には松本本社で「酒造りを開始する」と社長が明言されてますので

「槽場詰め」も「あと何回の・・」カウントダウンが始まったようです。

 

今年は冬が早く来る・・

と、言われる中で今までにない位に暖かい「槽場詰め」。

いつも通りに酒林を掲げるからスタート。

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すべてが いつも通りの進行。

ただ、少しの違いを「キッチリと嗅ぎ分ける嗅覚」を持った酒屋さんばかり。

どんな考えの元に  どう変えて どのような結果をもたらすのか ??

 

どんな仕事にも どんな業種にも願う様な「満塁ホームラン」なんて まず無い。

いや、狙っている方がどうかしている。

スモール・ベースボールで 少ないチャンスで どうやったら自分の世界観を実現

させて行くのか。

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今回も「勝己班」のワークショップは刺激的。

終着点の無い「造りの世界」は どこまで行くのか ??

 

そして・・・

ホジョレーみたいな言い方でイヤだけど「過去最高の槽場詰め」が当店にやって来た。

予想通りの反応。

 

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是非、一人でも多くの方に楽しんで欲しい。

試飲した瞬間に大信州を思い出した・・けど どうよ。

試飲会なのに知らぬ間に飲んでる ??

この俺がだよ。自分でもビックリさ・・。

 

 

ヴィラデストの小西醸造長とオーストラリアから お越しになった醸造家の方との

東御で対談形式のワークショップを行った・・のが、かなりオモシロかった。

と、参加した方から お聞きしていたのですが・・忘れかけてました。

 

先月末に どうしても行きたい試飲会があって かなり無理なやりくりをして名古屋滞在一時間限定で帰ってきたんです。

 

試飲会とは「ほぼ飲まずに 酒を利いて吐き出す」のが常識。

下戸の私には それに「酔う前に時間との勝負」で即断してメモる・・と言う

制約が付きます。悲しいかな・・。

 

ところが知らぬ間に「飲んじゃってる・・」んです。

下戸のオラに一体何が起きているのか ?

クリアでキレイで柔らかな旨味がストレートに舌の上を滑る感覚。

タッチは違っても「上質な日本酒を味わってる感覚と一緒」なんです。

何なんだコレは ??

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その日はオーストラリアからワイナリーの方も見えられていて・・・

インポーターさんと話しをしていると「その対談された方」なんだそうです。

 

その試飲会に出てたワインは全酒欲しい。特に彼のワインは全部欲しい・・。

とは、思っても現状は無理。得意先に話しをして・・自分の中で搾りに搾って発注しました。

日本酒とワインとは「売り方が違う」なんて 自分の中で壁を作ってたんだけど そんな事はどうでもイイ。日本酒を始めた時に試飲酒を持って歩いて「驚いた顔の中から コレ、

イイねぇー」と言われた時のと同じ事が「これらのワインなら可能かも知れない」。

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まだまだ知らないワインの世界。

もっともっと伝わる様に これからも精進します。

 

酒メッセ長野

もはや「年中行事の定番」となった JR長野駅前・メトロポリタンホテルで10月第二木曜日

に開かれる「酒メッセ長野」。

今や、「東京・大阪」でも開催され大都市での「信州地酒の間口と深度」を拡大し続ける

原動力となっているのは間違いないです。

 

地元で行われる「酒メッセ」。

・一般顧客様は一ケ所で「ほぼ全蔵の酒が格安で試飲出来る」。ポケットにつまみを忍ばせて

プースを飲み歩く(この行為そのものは主旨とは掛け離れていると禁止されていますが)終業後の

サラリーマンで五時以降は「ラッシュ並みの混雑」になります。

また、マスコミ露出の高い蔵元さんと「知り合い・話しが出来る絶好の機会」として参加される方も

多いようです。

・料飲店さん・・は、通常の扱いブランドの確認と「自分の好みを捜す機会」として「首都圏・関西圏」から「お店を休んで参加」されている熱心な方も多いのには驚かされると同時に「絶対アイテムとしての必需性」なんだとの想いは 蔵元さんとの関係性がより深まるのだと思っています。

 

私にとっては以前と違う目的で参加しています。

最初の頃は とにかく扱い銘柄が少ないですし「知らない人・蔵・酒」ばかりですから、

目星をつける目安も無く「片っ端・メモを取りながら・時間との勝負」で試飲と対話をしてました。

なにしろ・・・下戸ですので。

毎年、一蔵ずつ増やして「その分、得意先と取り引き量も上げて・・」を繰り返しながら。

それでも「焼酎ブーム前夜」の頃は 今や人気ブランドとなった蔵元さんも「試飲する人さえいない」

のなんてザラ。

キチンと段取りを踏んで お願いすれば「取り引きをして頂ける」そういう時期でした。

 

いまや・・

信州の地酒は特に首都圏に置いて「人気ブランド」のプチ日本酒ブームで「酒が足り無い・取り引き酒販店なんて増やせない」状況です。

当店では基本的に「蔵数は増やすつもりは無い」ですから 取り引き蔵元さんを順繰りに回って「蔵元さんと話しをする」のが主たる目的です。日頃、疑問に思っている事。次はどうするのか ?など。

試飲は「ホロ酔い程度」の軽い感じで「帰宅後もトイレと一晩お友達」を何年も続けていたのは過去の事となりました。

 

同業の酒販店さん方とも顔を合わせて話しをする 良い機会です。

 

この業界は「飲食業」とは直結した繋がりを持ちながらも「その関わり方」の「方針と手法」を

持って新たな試作を行っていかないと「誰にも相手にされなくなる状況」を作ってしまう危険性さえ

あります。

 

昨年は ハッキリ言って・・・

「行くのが面倒臭くてヤメた」くらいに疲れ切っていたけど、行動して・顔を合わせて・話しをする

と、自分にムチを打って出かけたけど・・ヤッパリこういうトコには参加するべきだよね。

今回も成果があったし・・。

 

多くの蔵元さんの写真を撮ったけど、下戸の撮るのはブレブレで

なんとか公開できるのが「高天の美絵ちゃん」と撮ったこの一枚だけというオチでした。

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