佐久、「澤の花」の醸造元、伴野酒造の伴野常務に ご来店を頂きました。
固い紹介ですね。通常は「伴野くん」と、呼んでます。
単に私の方が歳上だからです。
彼とは「年に二回程、顔を合わせます」。秋の「酒メッセ長野」と「蔵見学か飯田に来る事」時にです。
今回は「隣市の某蔵元に見学に来た」という「相手がミエミエの所」ですが。
一回り以上歳下ながらウチの取り引き蔵元の中では「一番刺激的」です。言いにくい事をハッキリ言うからです。
でも「当たってるから」聞き入る訳です。そして目指す方向は「シンブルです」。
一度「ヤメる決断から復活させた」男は強いよ。それが、蔵の方向性・商品構成・得意先への関わり方・イベント等への参加の線引きに現れています。
特にイベント面では徹底してますね。
「澤の花」を主力で扱ってくれている飲食店である事。
「仕込み水」は基本的に提供しない事(理由はハッキリしています)
「滞在費の負担」が無い場合は 基本的に「日帰り」する事。
「費用対効果に見合った」主観的・客観的な広報活動である事。
まぁー・・当然の事かと思いますけど・・。
彼と話しをしていると「背筋が寒くなる時」もあります。
自分達が知らず知らすのウチにやってる事を 体系化してますから。つまり(ハッキリ言いにくい事を書きますが避けては通れない現実として)「お客様の撰別」です。
・経営者の年齢と組織化の状況ないしは将来性
・現状の販売状況と取り組み
・目指すべき方向性がハッキリしているか
・店舗・会社としての「基本的な装置」が出来ているか。
・常に勉強しているか ? 独自の視点を持ち合わせているか ?
そして最も重要なのが「自分の酒」を大事に扱ってくれているか。
です。
業界が違えど「同じ目線」である事 どちら様も違いが無く「自分事に置き換えて見れば納得」して頂けるかと思うのですが、事 他人様から そう見られているかと思うと「穏やかでないのが人間の悲しきトコ」でして、「我が振りを正す」。その継続と増幅でしか「自分の成長と他人様からの信用度」が得られないバランスです。
伸びないと相手にされない。方向性はコレでいいのか ?
少し迷う今日このごろですが、尾ひれの部分で迷っているだけですから ご心配無く・・。
2014年7月5日10:40 PM | カテゴリー: 蔵元 | コメント(0)
4月の消費税upに合わせたかの様に各分野での商品価格が上がった事により「便乗値上げ・・」なんて言い方をされてますが、今まで「よくこの価格でやってこれた限度」を ドコかで打ち払う時期だつたのかもわかりません。
宅配業務のガリバー 「ヤマト運輸」の運賃値上げと「クール便規格の徹底」は温度管理が生命線である日本酒業界に大きな波紋と試行錯誤を生み出しました。
一番の問題は今まで可能であった「一升瓶サイズの6本・ケース」を「5本にしないと重量オーバーで受け付けてもらえない」です。今までが良くて「なんで これからがダメなんだ・・」と業界全体で食い下がった経緯もあった様ですが、昨年に発覚した「クール便の常温放置問題」を再発させれば 今度こそ「信用を失う」。そして「二度目は許されない・・・」を受けて ??? 大幅な運賃の値上げ付きから 蔵元対応は大きく分けて「三つに集約」できます。
1,価格変更で配送体制を変える
どうせ価格が上がるなら 商品管理をしっかりさせる為に「商品価格のupと配送会社を変える」事で、「6本入り・冷蔵便」を堅持する。ただ、「ヤマトと同じにデキルなら・・」の前提ですが。
2, 5本入りにする
6本がダメなら「5本で送る」という現実的な取り組みも始まっています。当然「コストup」と、なりますので「過渡的措置」なのかも・・。
3,保冷剤タップリの常温・通常便
この取り組みが一番多そうです。「しっかり冷やして・保冷剤を詰め込んで・発送段ボールも断熱効果の高いモノ」に。通常なら「12時間くらいは安全なこの梱包も 今夏の猛暑に耐えられるか ?? 」が課題です。
こちらも天気予報を見ながら「気温の上がらない日を指定して・・」なんて事になりそうです。
酒がダメになっていたら「元も子も無い」ですからね。
当然、当店としても「お客様に発送する」を これと同じ手法・考えで進める訳です。
私としては「今夏の間は品質を第一として 5本で送る」しか無いし、実行します。
お客様には当たり前ですが「品質を期待しておられる」のですから 裏切る訳には参りません。
ここは説明して理解して頂くしかありません。
夏の「無濾過生原酒」は 旨い反面「管理が命」です。
極論すると「電気代を飲んでる感」さえあります。
以前、初めて取り引きをした県外の蔵元さんの酒が「生ヒネ」していて 即座にクレームをしたのですが「生酒はスグに冷蔵庫に入れないとダメになるんですよ」と「素人酒屋対応をされてブチ切れまして・・」取り引きは「一回だけ・・」。いや、その酒はすべて「排水溝に廃棄」支払いだけしました。
こんな酒を売ったら「二度と酒屋として自分自身がやっていけない」ですし、クレームに対して そんな感覚でしか対応出来ない経営者を信用出来ないですから。
アトになって・・・
「ヤマトのクール便温度管理に問題があった」事を知る訳です。
丁度、夏の初めの「30℃越えが三日間続いた頃」でしたから・・たぶん「そういう事」だったのでしょう。
結果として、私は「コレで良かった」と、思ってますけど忘れる事は無いですね。
「自信を持つ」と「自己の想定を超えた」= 結果通りのモノが生まれない事も有るのだと知り、今後の戒めにと思う訳です。
2014年5月25日9:15 PM | カテゴリー: 蔵元 | コメント(0)