春になりました。

まずは結論から・・。

今週末のオススメ「五種です」。

 

 

大信州 八重原 純米大吟醸 おりがらみ生原酒

十六代九郎右衛門 純米吟醸 愛山 無濾過生原酒

亀の海 純米吟醸 春うらら 無濾過生原酒

小左衛門 立春搾り 純米吟醸 備前雄町 無濾過生原酒

玉柏 二百八十八夜 純米吟醸  五百万 無濾過生原酒

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日本酒業界では立春から春になります。

この日以降に出荷される季節限定酒は「春をイメージした酒」が ほとんどです。

 

よって・・

当然、当店でも春全開となる・・予定です。

ここらへんが「春の限定酒と味ノリした酒」との差とバランスだと思っております。

どっちみち「季節感のとぼしい業界」だと言われる中で その季節感を醸す季節限定酒は「諸刃の剣」だと

私は思っています。

 

 

つまり・・

「上手く売り切る」と「追加補充が効かない」面です。

点では無く、面なんです。

安全を取ってほとんどが「上手く売り切る」を主体とするのが業界の常識となってますが、

小仕込み・数量限定の酒がハマった時の「旨さ・感動・満足感」たらありません。

常に「そうありたい、そんな酒と出会い続けたい・・」と願うのですが・・・ね。

 

 

 

8年ぶりの「ダンチュー・シンドローム」

まず、「dancyu」が、こんなに早く出たっけぇー・・。

が、印象的です。

 

8年ぶりにこの雑誌の日本酒特集を買いました。

理由は、昨年の記事に衝撃を受けたからです。

それまでは有料の東京の大手酒販店広報誌だとど田舎の酒屋は思ってたものですから・・。

だって、次から次へと新規の蔵元を紹介しては「勘違いしちゃう土壌」を養っちゃってた・・のも事実でしたから。

ただ、あの雑誌に載る酒の質は間違い無いです。

 

なぜ、そんな事を言い切れるかと言うと・・

ウチの得意先で全国の酒を提供してる居酒屋で出て来る酒が、その冬には「その雑誌に載る」事が多くて

事前に試飲している機会が「けっこうあった・・」からです。

聞いた事も見た事もなくとも「旨い酒の基準」を自分の中に持たせてくれる 有り難い居酒屋です。

ですので、当店で扱ってなくとも「酒質傾向は知っている・・」という事で「あっ、載っている・・」という感覚だったんです。

 

でも、お客様とは「そういう雑誌が好きな方」が結構いらして、その事で振り回されるのがイヤになってんで「ずっと買わない・見ない・・」でした。

でも、県外の蔵元と取り引きを始めると続け様に「この雑誌に載る」事が続いた為に 私の地元では「ドコにそんなコンタクトがあるんだ・・」と勘らぐれる時期もありましたが 私はただ「自分の旨い・・と取り引きしてただけ」の事。全然「意に介さない」でいましたが。

 

それに、それを求められる お客様は「ウチの客層には成り難い・・」ですから。

そりゃそうでしょ。流行りモノだけ言われても「当店は流行りモノはヤラナイ店」なんですから。

ファッションじゃあるまいし「飽きたらポイ・・」では生きては行けない業界です。

酒販店は それをやったら許され無いカテゴリーなんです。

もし、それをやりたければ一般客か料飲店になるしか無いという・・

言わんでもイイ事を言いましたが、「呑みたいモノだけを買い・置きたい酒だけを次々と変えて自由に置く」のは その方々だけの特権です。

 

様は・・

その雑誌が出る度に振り回されるのはゴメンですし あの雑誌「実は業界関係者とマニア様」しか見ていなかった過去です。

でもね、昨今の「プチ日本酒プーム」と昨年、ある蔵元に お邪魔して「あの雑誌も深いトコまで記事にする様になったよ・・」で少し興味を持ち直して・・・今年は買いました。

 

写真

 

ウチで扱ってるのは二銘柄だと思うのでどうぞ・・・

ちゅう話しじゃなくて・・・

いや、この酒が載るのを知らなくて たまたま前日に「その系統の質問をしたら・・」

蔵元さんが「アト○○本ですから 買っといた方がイイですよ」的な事を言ったんです。

いつもは そんな事は言わないのに「おっかしいなぁー・・」の結果が・・掲載です。

 

今、雑誌は「日本酒の事を取り上げると即効性のある売り上げに繋がる」そうです。

見る・読む媒体の次には 是非とも「呑んで確認する」検証を期待する

ど田舎の酒屋です。

終わりそうになると惜しくなる・・

いつまで立っても仕入れとは難しいもんです。

丁度イイ・・の加減の問題ですけどね。

 

新酒系一号酒が かなり底を付きました。
一覧にしますので ご覧下さい。

 

 

一番の誤算は・・
大信州 槽場詰め・・を1ケース残して来年「ヴィンテージ販売」しようと思っていたのですが 忙しさにかまけて「すべて売ってしまった事」です。かなり多めに取ったつもり・・ですが。
何をやってんだか・・。

お陰様で今期も「予約を取らずにすべて売り切る」事となりました。
でも、これじゃマズイので「来年は予約を取ります」。

 

 

ほぼ完売酒
大信州 槽場詰め 当日詰めのみ・・アト一本

澤の花 純米無濾過 1800ml のみ・・アト一本

北光正宗 吟醸しぼりたて生 1800ml のみ・・アト二本

亀の海 純米吟醸 細雪 1800ml のみ・・アト二本

小左衛門 特別純米 信濃美山錦 新酒生 1800ml のみ・・アト二本

小左衛門 純米吟醸 初のしぼり 完売

大信州 純米吟醸スパークリング 予約分を残して 完売

川中島 幻舞 純米大吟醸ハーモニックエモーション
1800ml のみ・・アト二本

 

 

極少酒・・
豊香 辛口特別純米 しぼりたて生酒

九郎右衛門 ひとごこち純米吟醸 無論生
純米吟醸スノーウーマン 共に少量ですが、
今月15日頃 1月搾り新酒が再入荷します。飲み比べをオススメします。

 

 

味ノリがしてきたので 再陳列します・・
美寿々 純米吟醸 無濾過生

澤の花 純米吟醸 さら雪

 

 

新酒出荷予約開始します・・

小左衛門 純米吟醸 山田錦仕込13号 無濾過生原酒

小左衛門 純米吟醸 自然共生米 信濃美山錦 無濾過生原酒

大信州 信濃薫水 純米吟醸 槽場詰め 無濾過生原酒

順次、ご案内を致します。

 

GW、始まってます。

「赤い日」は当然「営業日」が地酒専門店の特徴でもあります。都市部では そうでも無いようですが・・。

なぜなら「得意先の料飲店さんは すべて営業している」という当たり前の事とは別に「地方での土産を買う」という要素もあるからです。

この場合の土産というのは「他人様に贈る」のでは無く「帰って自分で楽しみたい・・土産」です。

ほとんどの お客様が「私との対話の中でオススメを買われる」ので こちらとしても必死なんです。

 

解り易い提案の目安として・・「どこから来られた方なのか ? 」大きく分けて この3パターンの傾向で分かれます。

商圏内の地元の方。(この場合の商圏とは配達可能地域の事です)

「帰省客をもてなす酒」、「帰省客が飲みたい酒」

「信州の酒を飲んでもらいたい」・・で、当店の扱いブランドからオススメを買っていかれます。

 

商圏外の県内の方。

地元の「地酒専門店では扱っていない銘柄、県外ブランド」。

益々「専門店のブランドが被る状況」が続いてます。これは「同調して同じブラントをやる」とか「他を見てマネをする」とかでは無く 試飲会などで「これまでの継続性・成長性(偉そうな言い方でスミマセン)・酒質」でGOとなった時に感ずる いわゆる「地酒専門店の嗜好性に差が無い」状況だと私は思っています。

ですので より「飲む機会の少ない銘柄」を購入するという 至極当然な結果かと思います。

 

蔵元さんの中には「ドコ(専門店)を見ても変らない構成だと個々のパイプの太さで差が付く」と言われますし、はっきりと「なぞってんじゃないの(ドコの事を差してるかワカリマセンが他店との商品構成と類似)」つまり 単に「囲い込みとマネをしてれば なんとかなると思ってんの ? 」というトンチンカンな物言いをされるトコもありますけど  逆に「マネだけして残っていけるなら こんなラクな仕事は無いとおもいますが・・」。それで 生き残れればの話しですけど。

 

県外からの方。

最近、この分野の お客様がオモシロイです。

連休中に わざわざ来店して頂けるので「ドコで知ったのか ?・・」を お聞きすると「ほぽHP・検索サイト・SNS」です。有り難い事です。

ただ、以前は同じ理由で来店をされても「旨い信州酒のオススメ」を買っていかれる方が多かったのですが 最近では「私でも知っている 県外の有名店を贔屓にしている方」が圧倒的なんです。イヤミ無く「ウチは○○で買っています」と言う言葉に「プライドさえ感ずる」のはウラヤマシイ限りです。

 

で、ある特定銘柄が「このカテゴリーの方々」にとっては一切興味を示さないブランドとなっています。つまり「それは地元で買えるから・・」と。まっ「理由は解ります・・」。

そして「このブランドは○○地区では伝播してるんだ」を確認してメモメモ。次回以降は「コレをススメナイ」様にしています。そんな方々が欲しがるのは やはり「地元では買えない小さな蔵元の酒」をオススメで買って行く。ないしは当店で扱っている「県外酒」なんです。

いわゆる「全国的に通用するブランド」は当店では一切 扱いは無いですが、この県外客さんに関しては「その分野は その気になれば いつでも・ドコでも買える 今更ながら興味の無い分野」の成熟された方々です。

 

そして 日本酒の対話もツボを心得ていて「専門用語など一切 出そうとしません」。こういう方々が一番恐いんですが。

「今のオススメは何れなんですか ?」と 3本程は買いたい・・と、おっしゃるので (5〜7本くらい並べて説明を終わる)と・・「全部ください・・」。

試されてるのかもしれませんが その答えは「次回の来店があった時」というスパンの長い話しです。

まさに「一期一会の世界観」です。

でも、連休中は「そんな方々が来店下さる事が私の活力になっています」。

「あー来てくれた」ってね。

 

 

 

ウチの「酒粕」が旨い理由

「今日の鍋は美味しいけど・・何を入れたの ?」って旦那が言うの。粕嫌いなので食べ終わったアトに言ったら「えぇー・・」って。臭く無いし・味に深みが出るし、普段使ってる粕とナニが違うの ?                                                                            同じ様な質問を良く受けます。ウチの「酒粕」達に・・。

夜明け前・酒粕

答えは簡単。旨い酒の「酒粕」だから。

完成された「モロミ」を分離する事により「酒と酒粕」に分ける訳ですから「旨い酒=旨い酒粕」となる 当たり前の図式です。しかも「香り・旨味の成分」は酒粕に吸収されやすい特性がありますので これを いかにして酒に偏らせて添加させるかが腕の見せ所。

極論すると「アルコール添加」による「本醸造・吟醸酒」も この要素への働きが大きいです。

単なる「アルコールで薄めて・利益を増幅させる」と思っている方が多い様ですが・・。

日本酒は「欠けた部分を自力で再現させるチカラがある」と考えられています。

つまり・・

上槽(じょぅそう)分離させる事で失った成分を「時間を掛けて回復させる」のも熟成の大きな要素。

ですから「生酒」にしても「火入れ酒」にしても「温度管理と熟成経過」が重要なのだと・・。

 

カス・・と言われる「酒粕」も多分に「回復的な要素」もあるものの・・・

搾り方・管理状況によって「味に大きな変化がある」のは 致し方の無いトコロかも・・。

ですから「純吟クラスの酒粕」を「鍋仕立て・・」にした時の旨味感は至極当然なのかもしれません。

 

もし・・・

酒蔵の蔵元を尋ねて「お茶受け」に「我が家の大吟醸酒粕で造った奈良漬けです」と「三切れほど」でも出して頂いたなら それは「最高の おもてなし」なのだと思って下さい。

たぶん・・

出品酒用の「大吟醸を搾った」酒がしっかりと残っている「軽い搾り」の酒粕に 違い無いですから・・。

 

漬け粕については・・・

またの機会にやりますね・・。